前回、F9/F10 によるコマンド内での座標値入力の方法をご紹介しましたが、その時にちらっと 座標値入力コマンド が出てきました。今回はこの 座標値入力コマンド について取りあげます。
コマンドを起動すると表示されるダイアログには、入力欄が4列あります。よく使うのは一番上の列の座標値の入力(直交座標系)でしょうか。
では、その他の3列はどのような機能でしょうか?
また、値の入力ボックスの左横にボタン(X, Y, Z など)がありますが、これらはどのように使うのでしょうか?
この座標値入力ダイアログの入力欄は、上2列と下2列で機能別に分かれています。
上2列は 直交座標系 による入力、下2列は 極座標系 による入力です。
そう、その時には「座標値指定」コマンドを使用します。 その通りです!
どれも現在の ワークプレーン基準 で座標値を入力します。
それぞれを詳しく見てみましょう。
●直交座標系
上の2列は、
上:絶対値で入力
下:相対値で入力
となっています。
「絶対値で入力」は説明するまでもないですね。
「相対値で入力」は、「参照点」を基準とした相対値を入力します。参照点は画面上に黒い点で表示されていて、通常は前に入力した点です。(ビューを回転させるとわかりやすいです。)
参照点を変更したいときは、「参照点を移動」ボタンを押して参照したい点を指定します。この時は、「スナップコマンドを明示的に使用して」指定するのがミソです。(スナップを使用しないと指定できません。)
端点スナップで指定:
極座標で値を入力することができるようになります。(F10 でもOK。)
●ボタン
各入力欄の左にあるボタン(X, Y, Z, dx, dy, dz)は、要素を参照して座標値を入力します。ボタンを押した後、やはり スナップを使用して 参照したい点を指定します 。
X, Y, Z は選択した点の座標値、dx, dy, dz は参照点からの相対座標値が入力されます。値は、例えば X ボタンは X の値のみといったように、X, Y, Z の値を個別に取得します。
●極座標系
下の2列は、
上:相対値で入力
下:絶対値で入力
となっています。直交座標系の場合と上下逆ですね。
極座標系では、次のように入力します。
ρ(距離): 原点(参照点)からの距離、
θ(角度XY):XY平面上での角度。X軸基準で反時計回りに測る。
φ(角度Z):XY平面からの角度。Z軸正の方向へ反時計回りに測る。
各ボタンでの値の参照、「参照点を移動」も直交座標系の時と同様です。
少し違うのは、例えば距離は、純粋にその値を入力するだけなので、実際に要素を作成したい方向とは違う方向で測定しても構わない、という点です。
なお、極座標系の相対指定(3列目)以外では、Z値を入力しなかった場合は、Z = 0 が自動的に入力されます。
また、参照点を使用するのは相対座標を指定するときだけなので、「参照点を移動」は2列目と3列目でのみ有効です。
前回ご紹介した F9/F10 での入力はXY平面(2次元)の入力のみでした。今回の座標値入力では、3次元の座標値を入力できる点、また、特定の点を参照して座標値を取得できる点が特徴でしょうか。
「参照点」はスナップを使用しないと参照できないなど、ちょっとわかりにくい点もありますが、今ここで憶えましたね!
F9/F10 の座標値入力同様にご活用ください!
thinknews vol.636(2020年1月24日配信)
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