いくつかのコマンドのオプションに「面上線の作成」というオプションがあるのをご存じでしょうか。
このオプションを選択したときには、作成される曲線は「面上線」になります。
「面上線」?? 少し聞き慣れない言葉かもしれませんね。
「面上線」として作成した曲線は普通の曲線と何が違うのでしょうか?
面上線は曲線ですが、内部に参照先の曲面(ベース曲面)の情報を含んだ特別な曲線です。そのため、一般的な曲線と異なり、曲線なのにベース曲面の情報を参照することができます。
例えば、曲率コマンドでは曲線自体の曲率の他に、
ベース曲面の曲率 をプロットすることができます。
また、ロフト面コマンドなどでは、曲線を選択しているのに、「接線連続」や「曲率連続」の条件を選択することができます。
曲線なのにちょっと不思議です。そう、これはまるで曲面の境界線のようですね。
面上線はその他に、グローバルモデリングの条件設定にも便利に使えます。
例えば、、、
曲面の両端を維持し、
中央付近の3つの断面を、上の点を中心に回転させるように変形しようとした場合を想定します。
変形後の曲面を見ると、指示した断面は正確に通過していますが、しかし断面以外の部分が少し膨らんでいるように見えます。
解析ツールでGSMの変形量を表示してみると、変形のピークが左右の断面より内側にあるようです。
このような場合、変形前の曲面上に作る断面を面上線として作成し、目標の曲線を通過するロフト面を作成します。
一致条件で面上線とロフト面の境界線を選択すると、「目標の位置+目標の接線」を指定することができるようになります。
この条件で変形すると、3つの断面間が均等に変形するようになります。
どうでしょうか。
意外と(?)便利な面上線を、どうぞご活用ください。
thinknews vol.695(2021年5月10日配信)
Comments