作図系のコマンドで自由に作図するときに、ミニダイアログに表示される値はグリッドの設定の影響を受けています。
グリッドには次の3種類の設定があります。
グリッド オフ
非表示ダイナミックグリッド
静的グリッド
グリッド オフ は、その名の通りオフなので、どこにもスナップされず、ミニダイアログの値は細かく変化します。
静的グリッド は、画面上にグリッドが表示され、作図は必ずその交点にスナップされます。
非表示ダイナミックグリッド は、1点目を基準として、表示されていないグリッドがあるような感じで2点目を指定するものです。
ここで、グリッドの設定(プロパティ)を開くと、
「フレキシブルステップを有効にする」という設定があります。この「フレキシブルステップ」というのは何でしょうか?
この設定の効果を確認するには、少し画面を拡大する必要があります。
例えば、「フレキシブルステップを有効にする」にチェックしていない状態で、2点を結ぶ線コマンドでマウスを動かすと、角度は 0、5、10、15 度など、5 度おきにスナップされます。(角度ステップ で設定されいている角度が反映されています。)
しかしここで、「フレキシブルステップを有効にする」にチェックして同じように操作すると、今度は例えば 5 度と 10 度の間の中途半端な値を取ることができます。
設定の 5 度おきの角度に近づくと、吸着されるようにその角度になります。
この設定は、ポリライン、2点を結ぶ線、平行線、四角形など作図系のコマンドで有効ですが、その他、曲面のコマンドでも有効です。
例えば、直線スイープ面 コマンドではその 長さ などの設定時に、
曲面のトリム/延長 コマンドでは、延長パラメーター の設定時に。
つまり、「フレキシブルステップを有効にする」を設定すると、グリッドに吸着されないように少し拡大する必要はありますが、グリッドオフと非表示ダイナミックグリッドが同時に機能する ような動作になるのです。
ちょっと便利ですよね! うまくご利用ください。
thinknews vol.697(2021年6月4日配信)
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