top of page

第68回: 再帰

ミニセミナー 第40回:GSMコピー で、GSM面について解説しています。


GSM面には「元の要素の情報」+「GSMの変形情報」が含まれていて、GSM要素をさらにGSM変形すると、「 「はじめの要素の情報」+「はじめのGSMの変形情報」 」+「2回目のGSMの変形情報」となり、GSM情報が入れ子になる、と説明しました。


このような、情報が複数回入れ子になる要素は、GSMコマンドで作成される要素の他に、次のものがあります。

面上線ルールド面1ドライブ面2ドライブ面クーンズ面

曲面要素は、ロフト面で作成される曲面です。(ロフト面については、前回第67回 の解説を参照してください。)


例えば、1ドライブ面を例にすると、

1回目:

周囲の要素(0)を参照して作成します。周囲の要素の情報が1回目の1ドライブ面(A)に含まれます。


2回目:

1回目の1ドライブ面(A)を参照して2回目の1ドライブ面(B)を作成します。

1回目の1ドライブ面(A)の情報すべてが2回目の1ドライブ面(B)に含まれます。


3回目:

同様に、2回目の1ドライブ面(B)を参照して3回目のドライブ面(C)を作成します。

2回目の1ドライブ面(B)の情報すべてが3回目の1ドライブ面(C)に含まれます。


ここで、作成された面Cは複数階層の情報を含んでいます。

つまり、内部の情報が C(B(A(0)))と作成されています。


この入れ子の情報は、モデル品質 コマンドで調べることができます。

チェックするパラメーター より、「再帰数の多い曲面」(曲線の場合は「再帰数の多い曲線」)を選択します。

(ここでの「再帰」は要素内に他の要素の情報を入れ子状に繰り返し含むことを指しています。)


再帰数自体は平面や NURBS 面など、他の面にもあり、他の要素を参照して、その要素の情報が含まれていることを示しています。しかしこれらの通常の要素は参照が1度のみで、複数回の入れ子にはなりません。


一方、GSM面、クーンズ面などは 入れ子が複数回になり、参照が重なれば重なるほど階層が深くなります。(再帰数が多くなります。)


このような要素に対して、例えば、交線を作成したり、曲線を投影したりなど、何らかの処理を行う場合、入れ子階層を遡って計算が行われるため、階層が深くなると、それにつれて処理が重くなります。


通常は階層が極端に深くなることはあまりなく、さほど神経質になる必要はありませんが、特に処理が重い要素があるような場合は、再帰数を確認してみると良いかもしれません。


なお、再帰数が極端に多くなった要素は、NURBS 要素に変換すると処理が軽くなります。

(つまり、再帰情報を捨てる、と言うことですね。)


thinknews vol.831(2025年1月10日配信)

コメント


© 2025 T3Japan

bottom of page